どんな生き物も太りすぎると思わぬ病気を発症します。それは犬も例外ではありません。
特に犬の場合は人間と一緒に生活する上で、どうしても「食べ過ぎ」「運動しなさすぎ」という生活習慣が確立してしまい、極端に太ってしまいがち。
もちろん太らないように飼い主が気を使うべきではありますが、もしすでに太ってしまってデブ犬になってしまった場合は、どのようにダイエットさせればいいでしょうか?
デブ犬の基準は?太っているとどんな問題が生じるの?
病院で検査を受けて健康状態を知ろう
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生活習慣が原因で太ってしまうのは人間だけではなく、犬にとっても同じこと。犬は人間と違って「体が重い」「調子が悪い」などと話して不調を伝えることができませんから、太り過ぎているか否かは飼い主である人間が適切に判断してあげなければなりません。
しかし、犬の理想的な体重は犬種や大きさによって異なるため、一概に体重だけを見て太り過ぎなのかそうでないのかを判断することは不可能です。お腹周りの脂肪が目立ったり、顔の形が明らかに変化したという兆候が見られたら、まずは動物病院で適正な体重なのかどうかを診てもらいましょう。
太ることが原因で発症する病気や怪我は多い
犬も糖尿病を発症することはご存知でしょうか?
人間と比べて発見が遅くなることも多く、気付いた頃には失明の危機というところまで追い込まれてしまっていたというケースも多々見られます。心臓病をはじめとする内臓疾患を引き起こすリスクも肥満によって増加するほか、脂肪によって麻酔が効きにくくなり、大きな手術に踏み切ることができないといった問題も発生します。
また、増加する体重を両手両足で持ち堪えることができなくなってしまい、骨や間接にトラブルを抱えてしまう可能性もあります。「太っちゃったね」と笑い話にして見過ごすことのできない問題なのです。
デブ犬のダイエットは食事の見直しから始めよう
手始めにドッグフードの量を調整してみる
犬をダイエットさせるためには、人間と同様に食事の見直しが最も重要になります。
まずは日頃から与えているドッグフードの量を少しだけ減らして様子を見てみましょう。目安としては、現在与えている量から10%前後の削減です。50gのドッグフードを与えている場合には10g前後を、200gを与えている場合には20gほどを減らしてみましょう。
最初は物足りなさそうな様子を見せていたとしても、次第に順応していきます。もちろん、食事の時間以外にお腹が空いたとアピールしてきても、感情に流されてドッグフードを追加してはいけません。
辛そうにしているならダイエット用のドッグフードに切り替える
とはいえ、食事を満足に食べられずに悲しそうな顔をしている姿を見るのは、飼い主にとっても辛いものですよね。美味しそうに食事をしている愛犬を見ている時間が最高に幸せだという飼い主さんも少なくないのではないでしょうか。
ダイエット中でも犬に沢山のご飯を食べてもらいたいという場合には、ダイエット用ドッグフードに切り替えることがおすすめ。ダイエット用のドッグフードであれば、今までと同等の量を与え続けながらダイエットを目指すことができます。
おやつの量はなるべく減らす
主食であるドッグフードを減らしたり、ダイエット用のドッグフードに切り替えたりしながらダイエットを目指しているのですから、おやつは与えないということに越したことはありません。ですが、毎日のおやつを楽しみにしている犬から突然おやつを奪ってしまうと、大きなストレスを抱えさせてしまう恐れがあります。
犬がストレスを感じると、ダイエットどころではない問題が生じて悪循環に陥る場合もありますから、そういった状況は確実に回避しなければなしません。そのためにまずはカロリーの低いおやつに切り替えて、さらに与える量をなるべく少なくしましょう。
人間の食べ物は絶対に与えない
人間の食事を犬にじっと見つめられていると、ついつい食べさせてやりたくなってしまいますよね。「味付けしていないご飯だし、少しくらいなら…」と差し出すと、犬は喜んで一気に食べてしまいます。
人間と同じ食べ物を家族の一員である犬も食べているというのは実に微笑ましい光景ではあるのですが、ダイエット中には人間の食べ物を犬に与えるのは厳禁です。
人間から見てヘルシーな食べ物であったとしても、犬にとっては塩分や脂肪分がたっぷり。そのような食べ物を連日のように与えてしまっていては、犬が太ってしまうのは当然です。
置き換えダイエットに向いている食材は?
人間のダイエットでは今や常識の置き換えダイエットですが、同じ原理を利用して犬のダイエットに繋げることが可能です。
おすすめとなる食材は「おから」と「寒天」。どちらも空腹を満たすことのできるヘルシーな食材であり、食物繊維が豊富であることから便秘の解消にも役立ちます。そのままの状態で与えても構いませんし、慣れるまではドッグフードに混ぜて与えてみても良いでしょう。
ただし、缶詰の寒天には要注意。甘味料が加えられている場合があるため、ダイエットに逆効果になるどころか、健康面での悪影響をお呼びしてしまう恐れすらあります。原材料には充分に注意した上で購入するか、寒天の素を購入して自作するようにしましょう。
運動もしっかりと取り入れて、健康的なダイエットを目指そう
基本中の基本はお散歩の時間を充分に取ること
犬にとっての運動の機会といえばお散歩です。
体重が増えていくことに比例して、お散歩を嫌うようになってしまったというのはよくあるパターンですが、半ば無理やりにでも散歩に連れ出すことが大切です。お散歩中に歩いたり走ったりする距離を今までよりも伸ばせると理想的ですが、なかなか難しいという場合にはお散歩にかける時間だけでも増やしてみましょう。
初めのうちは抱っこして歩いたり、公園でのんびりと座って過ごす時間が多くても構いません。家の外にいる時間を増やすことによって外の世界への興味を強く持たせられるようになりますし、外に出て運動をするということが「当たり前」という感覚を養わせることが可能です。
犬用のプールを利用する
プールを利用した運動では全身を使うことができ、カロリーを大幅に消費させられるため、ダイエットに非常に効果的です。犬用のプールを備えた施設がお近くに無いという場合には、家庭用のドッグプールが販売されているので、そういったアイテムを購入して利用すると良いでしょう。
注意すべき点としては、プールを利用した後には必ず毛布で包み、しっかりと乾かしてあげるということです。濡れたままの状態で長時間放置してしまうと、風邪をひいてしまったり、皮膚炎を招いてしまったりといった問題が生じます。
無理をさせすぎることは絶対にNG
ダイエットのために運動量を増やさなければ!と焦ってしまい、急激に無理な運動を強いることは絶対に避けましょう。飼い主が突然スパルタに変貌してしまっては犬がパニックを起こしてしまいますし、何よりも体が付いていきません。
無理に運動をさせた結果としてケガをさせてしまっては、ダイエットの続行などもはや不可能です。焦ることなく、犬のペースに合った運動量に飼い主がコントロールすることが大切です。
マッサージをしてあげることもダイエットに効果的
マッサージは運動の疲れを取るという効果を得られるだけでなく、基礎代謝を上げることにも繋がります。お散歩から帰宅した後や寝る前などにマッサージをしてあげることによって、痩せやすい体質へと変換させることができます。
マッサージを犬に気に入ってもらうことができれば、運動に対するご褒美の代わりとして位置付けることができ、犬のモチベーションの向上や維持に役立ちます。信頼関係の構築も見込めて一石二鳥ですよ。
飼い主が犬の気持ちになってダイエットさせなければいけない
犬は自分で喋ることができません。意思表示をすることが人間に比べると困難です。そのため、普通の犬以上にダイエットさせている飼い犬の気持ちを飼い主が理解してあげる必要があります。
「空腹過ぎて体調を崩しているのではないか?」「お菓子を制限しすぎてストレスは溜まっていないだろうか?」
こういったことを細やかに感じてあげなければ、犬のダイエットは時に生命を蝕む可能性があるということを十分に理解したうえで、犬にダイエットさせるようにしてください。