え?本当に虎なの?ネットで話題になった中国のデブ虎写真

本来の虎は威厳のある猛獣というイメージがありますが、この虎からは一切の威厳が感じられず、威厳どころか可愛らしさすらも感じるとか。中国のネットでは旧正月太りをしていると揶揄する人も。虎園が虎を太らせすぎているのではないのかと言う批判や、本物の虎じゃなくぬいぐるみなのでは?とまで疑う人すら出る始末。

そこまで言われちゃうデブ虎っていったいどんな虎なのでしょうか?

中国で話題のデブ虎の衝撃的な写真

これがネットで話題になっているデブ虎です。

うーん・・・。確かに丸々と太っていて様子が変ですね。特に右の虎は大丈夫でしょうか。立ち上がれるんでしょうか。

虎って本来は捕食動物ですからワニ、シカ、イノシシ、サルを狩ってその肉を主食としています。あのヒグマですら襲って食べることもあるぐらい強いんですよ。そんな虎にもし山でばったり遭遇しちゃったら生きた心地がしないっていうか、まあ20分後には実際に生き途絶えてしまうんでしょう。そのぐらい強い。ライオンがサバンナの王者なら、虎は密林の王者なのです。

でもこの写真の虎からはそんな王者の風格を一切感じさせません。休日の午後に家でゴロゴロしながらテレビを見ているお父さんのよう。なんだか凄く親近感が湧いています。いまだかつてこれほどまでに人間から親近感を持たれた虎がいたでしょうか!?

この虎たちは黒竜江省ハルピン市の「東北虎林園」にいる虎。

東北虎林園は世界最大規模の自然保護区で、400頭のシベリアンタイガーが繁用されていると言われています。虎だけでなくライオンもたくさんいて、生きた鶏を観光客の前で与えたりと猛獣限定のサファリパークといった雰囲気です。

ネットでも話題に

この虎たちの写真はインターネットでも大きな話題になりました。虎とは思えない太った猫のような姿からは虎のワイルドさが全く感じられないという人もいます。その恰幅のよさから、このタイガーパークでは虎にエサを与えすぎているのではないかといった意見や、虎の健康が心配、風船にしか見えない、いやいやこれはぬいぐるみだろう?といった多くの戸惑いの声が見られます。

虎園側の見解

寝そべってるので太っているように見える

こんなぷっくりとした虎たちの写真が大きな話題になったことで、東北虎林園はコメントを発表しました。

虎たちがこのように太っている見える訳は、地面に寝転んでいるため角度の関係で太鼓腹が余計に強調されて大きく見えているだけだそうです。シベリアンタイガー達の生体を実際に見るとちゃんと虎らしい容姿をしているので、ぜひ虎林園に来て写真と実物を見比べて欲しいとの事でした。

冬は脂肪を蓄えるのでどうしても太りがち

また、パークではエサの与えすぎも否定していて、次のように説明しています。この虎の体型は極寒の寒さを生き抜く術だということです。東北虎林園があるハルビン地方の冬場は気温がかなり下がるので、虎たちが脂肪を蓄えて体重を増やすことは正常なこと。夏には自然と体重が落ちるということでした。

これらのシベリアンタイガーの生息場所は、冬には氷点下30℃くらいにまでなるような極寒の地なので、虎たちは極寒という環境でもしっかりと生き抜くことができるようにと、寒い時期には食欲がいつもより多くなって太るまで食べるようになるんですね。食べて太ることで、氷点下30℃という寒さの中でも耐えることができるための脂肪を身につけるということなのだそうです。

したがって、虎たちは夏になって気温が上がる時期になると、また普通の虎らしい体型に戻っていくということでした。そのため、このようにぼってりとしたかわいらしい虎たちの体型は、この時期だけ限定で見られる珍しいものだということだそうです。シベリアンタイガーのこのようなぷっくりとしたぽっちゃり姿はそんな訳があったんですね。

それなら一安心!と思いきやこんな意見も。

厳しい声

海外の動物保護組織であるボーンフリー基金は、シベリア虎は明らかに肥満で不自然であるというコメントを発表しています。虎たちの体型を巡っては世界的な議論があると言えますね。

また、台湾の人々の反応は様々でした。動物がこんなに太った状態なのは不自然で、健康上のトラブルになったり、行動も不活発になったりするから、こんな飼育方法は間違っているという意見などが多いですね。これは一種の動物虐待ではないのかといった意見などもありました。

まるでアニメのキャラクターのようだという人もいました。可愛いけれども、やはり健康に悪そうという意見や、太り過ぎたタイガーたちの写真がインターネット上で大きな話題になっていて、この写真はまるで近所の太った猫そのもののよう、虎としてのワイルドさがかけらも感じられないといった手厳しい意見など、様々な意見が見られますね。

狩猟本能は失っていなかった?

この虎たちの変化は時期的なものと言われているものの、この写真の虎たちには肥満傾向が見られ、それが狩猟本能にはマイナスの影響を与えていると考える人もいます。そんな世界最大級の自然保護区の中国黒龍江省の東北虎林園で、虎たちの興味深いある映像が撮影されました

この映像の撮影にはドローンが使われています。虎たちの様子を撮影するために近くを飛んでいたこのドローンは虎の目からすると珍しい生き物のように映ったよう。

虎たちは飛行中の物体に気がつくとものすごいスピードで追いかけ始め、狩りをし始めたのです。このドローンは虎たちの興味をかなり惹いたのでしょう。恰幅がよいシベリアンタイガーが空を飛ぶドローンを追いかけて、最後には仕留めるというユニークな映像がインターネット上でも公開されて、世界中で話題になっています。

この映像を撮影したのはプロ向け空撮用ドローン「Inspire 1」。ドローンが撮影を行いながら低空飛行で移動していたところ、立派な恰幅のよい体格をしたシベリアンタイガーが雪で真っ白なパークを駆け回りながら追いかけてきたというわけ。

丸々とした巨体を寄せ合いながら集団でノッシノッシとドローンを追いかけています。こんなたくさんのタイガーに追いかけられているドローンに対し、一頭の虎がジャンプをしてドローンに攻撃してきました。がっしりした前脚でドローンをはたき落として、そのまま複数の虎に囲まれました。その後虎からの攻撃で壊れてしまったドローンから上がった突然の白煙に驚いて後ずさりする虎も。

丸々と太ってしまっていても本来持っている狩猟本能だけは失われなかったのかもしれませんね。

デブ虎よ永遠に

デブ虎さんの体型については餌のやり過ぎ、過保護、一種の動物虐待など様々な議論があるところですが、これだけ見事に太ってしまうと密林に君臨する王者・虎も可愛く見えちゃうってことに驚きを隠せません。

自分たち人間も太ったら可愛く見えて「愛嬌がある」「ペットにしたい」などとチヤホヤされればいいのですが・・・。

まあそんな事は望むべくも無いですから、デブ虎のようにならないよう我々人間は日々しっかりダイエットに励みましょう!

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