体組成測定を知ろう! 体重、BMI、体脂肪率の全て

体組成測定ができる体重計を持っている人は多いと思いますが、平均値ってご存知ですか?
身長と体重から計算される一般的な平均体重や、そこから計算されるBMIなどは多くの人が知り尽くしていて、計算しては一喜一憂しているのではないでしょうか。中でも体脂肪率や内臓脂肪率に愕然とする人が多いようですが、同じ日に測定して体脂肪率の数値が大きく変動するなど、よくわからない部分もあります。
この体組成測定の計算方法について調べてみましょう。

体組成測定計の仕組みとは?どうやって測定している?何を計算する?

昔はアナログ体重計に乗って「増えた!減った!」と騒いでいたのどかな時代がありましたが、現代はもっと詳細に体組成を知る体重計が一般的になり、ある意味では更にショックが大きくなった人も多いかも知れません。
体組成測定体重計の測定方法としては、普通は身長と年齢、性別を先にインプットしておきます。
その上で体重測定をすると、
・体重
・BMI
・体脂肪率
・内臓脂肪レベル
が表示されます。
この測定方法は、体に微弱な電気を通し、その電気がどう流れるか、つまり電気の流れやすさ=電気抵抗値と呼びますが、これを測定することによって計算する方法です。
体脂肪が多い人ほど筋肉が少ない人となり電気抵抗値は大きく、逆に体脂肪が少ない人は筋肉が多いため電気抵抗値は小さい、この原理を利用するのです。

各測定項目の基準は?まずBMI数値の瘦せ型から肥満型

身長に対しての体重と、意外に多いかも知れない脂肪(体脂肪と内臓脂肪)が健康に関わってくるので、体重が思っていたより軽かった!では済まされない現実が体組成測定計で露わになることがあります。
まず、今ではよく知られているBMIですが、この計算方法は既に周知されているのではないでしょうか。
BMIは外見的な肥満度を測るもの、と考えておいて下さい。

体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)

これがBMIの測定方法です。
適正体重は、

(身長m)2 ×22

と覚えておいて下さい。
これはあくまで成人の計算方法です。そして、このBMIを痩せ型から肥満に分類すると、

18.5未満 痩せ型
18.5~25未満 普通(適正)
25~30未満 肥満1
30~35未満 肥満2
35~40未満 肥満3
40以上 肥満4

となります。
BMIの数値により、肥満は比較的軽度肥満から健康面に害を及ぼす可能性のあるレベルにまで、4段階に分けられています。
ダイエット目的とはいえ、痩せていればいいというわけではありません。
健康で病気にかかりにくいといわれるBMI数値は22とされています。
BMIを基準としたダイエットは、この22を目標として頑張りましょう。
各測定項目の基準は?体脂肪率の瘦せ型から肥満型
人間には脂肪がついている。それは当然ですが、体の何%が脂肪かということになると、単純に身長と体重を比べるBMI以上の個人差が出てきます。見た目ではそれほど太っていないように見えるのに、体脂肪率が体の4割を占めているなど驚く数値をたたき出すこともあります。
BMIより重要視されるのが、この体脂肪率です。
BMIは、身長が高くなるほどBMIも高くなることで正確性に乏しく、また年齢や性別の水分量や筋肉量が数値に反映されず、簡単な目安としては利用されますが、現在では体脂肪率を重く見るようになってきています。
体脂肪率の計算方法もちゃんとあります。

体脂肪率(%)=体脂肪量(kg)÷体重(kg)×100

体脂肪量は外から目に見えませんから、体組成測定計で電気を通して測定しなければ体脂肪率というのは実際には全く分からないのですね。だから標準体型の人が体脂肪がないに等しい体脂肪率をはじき出したり、小太り程度の人が無残な体脂肪率にショックを受けたりということがままあるのです。
この体脂肪率測定ですが、意外にいい加減な数値が出てしまうことが多いようです。測定する機器によって異なったり、体内水分量に左右されるということも大きいようです。水分は夕方に下半身に集まりやすくなります。日中の運動が原因ですね。下半身がむくんだりしますね。それが夕方に体脂肪率が高くなりやすい理由の一つでもあります。また、気温の低さでも電気の通りやすさが変動します。
あくまで、電気の通りやすさで「体脂肪率」を測定するのであり、実際の体脂肪の量を必ずしも正確に測定しているとは限りません。
鵜呑みにしてずしりと落ち込む必要はなく、適度な目安としましょう。

とはいえ、その目安をある程度覚えておくことは必要です。
測定した自分の体脂肪率がどのレベルにあるのかを把握し、あまりにずば抜けて高い数値が表示されている上、お腹もボヨンとなっていれば、それは錯覚でも間違った計測値でもありません。やはり脂肪を減らすダイエットに努めましょう。
ということで、体脂肪率を男女別に一覧にしてみましょう。

男性

痩せ 標準- 標準+ 軽度肥満 肥満
14歳まで 6以下 7~15 16~24 25~29 30以上
15歳から17歳 7以下 8~15 16~23 24~27 28以上
18歳から39歳 10以下 11~16 17~21 22~26 27以上
40歳から59歳 11以下 12~17 18~22 23~27 28以上
60歳以上 13以下 14~19 20~24 25~29 30以上

女性

痩せ 標準- 標準+ 軽度肥満 肥満
14歳まで 14以下 15~24 25~33 34~37 38以上
15歳から17歳 17以下 18~26 27~35 36~39 39以上
18歳から39歳 20以下 21~27 28~34 35~39 40以上
40歳から59歳 21以下 22~28 29~35 36~40 41以上
60歳以上 22以下 23~29 30~36 37~41 42以上

※年齢以外の数値は全て%です

男性の体脂肪率30%以上、女性の体脂肪率40%以上は重度肥満に分類されます。
生活習慣病を引き起こす可能性も高くなりますから、まず体脂肪率を落として筋肉をつけるための運動や、食生活改善などのダイエットを開始しましょう。

各測定項目の基準は?病気に結びつきやすい内臓脂肪率

脂肪がついていることで健康上のリスクになることが分かってきている昨今ですが、体脂肪率よりもハイリスクなのが実は内臓脂肪です。
体脂肪率が低いにも関わらず内臓脂肪率が高い場合が多いのですが、この内臓脂肪は運動によっても落としにくく、生活習慣病に直結しやすいので厄介なのです。内臓脂肪も体脂肪に含まれるのですが、「皮下脂肪」に含まれない意味での体脂肪であり、メタボリックシンドロームの大きな要因になります。体の他部分は特に脂肪がついていないのにお腹がぽっこり出ている、ウエストが大きい…という場合は、内臓脂肪がこってりという可能性が高いでしょう。
以前はCTなどで測定していましたが、現在は体組成測定計で測定できる機器が増えています。ウエストサイズのMAXは健康診断では男性が85㎝女性が90㎝未満とされています。これを上回るかどうかで、内臓脂肪が多くついているかを診断します。
内臓脂肪は見た目で分かりづらく、外からつまもうとしてもつまむことも出来ないため、自己管理が難しい脂肪です。しかし、動脈硬化を始めとする命に係わる生活習慣病を引き起こす脂肪であり、そしてお腹ぽっこり…は、やはりダイエットをする上で致命的ですね。
これを落とすには、やはり菜食主義の食事となるべく徒歩の習慣、そして階段を積極的に利用するなど、生活の中に自然な運動を取り入れることで、内臓から徐々に脂肪を追い出すようにしていきましょう。
間食も一切シャットアウトしてしまって下さい。

体重だけではなく、全ての数値をチェックしながら上手にダイエット

振り子式アナログ体重計で、増えたり減ったりだけをチェックしていればよかった時代は楽でしたが、隠れた脂肪が思わぬ敵となっていることが分かり、科学的なダイエットが可能になってきた現代です。BMIを目安に、体脂肪率と内臓脂肪率の数値を総合的にチェックしながら、ダイエットを進めていきましょう。
また体組成測定をする時には、毎日同じ条件下で行うことが大切です。
お風呂に入る前と後では体温に差があったり、食前食後や朝と夕などバラバラでは正しい測定が出来ません。
同じ時間、同じ状況、同じ場所で薄着で測りましょう。
そして目安にするのは大事ですが、あまり重く考え込まずに明日は頑張ろう!と前向きな指標にしましょうね。

関連記事:シンデレラ体重は危険!10代女性が犯しがちな危ないダイエット