トンカツと言えば日本人のソウルフードにも挙げられる国民食。じゅわっと溢れる油とサクサクの衣がたまりません。
全国どこに行っても食べられるトンカツですが、ここでは定番とんかつ屋からちょっと変わり種を出す店まで、大阪・京都の5つの店をご紹介。洋風のデミグラスソースとんかつや、大葉とトマトを挟んだ変わり種など関西ならではの独特の食文化が感じられるでしょう。
とんかつ処 おくだ(京都)
とんかつ処 おくだは京福電鉄の元田中駅から歩いて5分ほど。目印はポップな字体の看板とのれんが掛かった引き戸です。テーブル席とカウンターは十人程度が座れます。威厳たっぷりの外観で少々足を踏みれるのをためらってしまいますけど、一度入れば気兼ねなく立ち寄れるでしょう。
夜も五時から開いています。昼食を取り損ねたすきっ腹を満たすにはぴったり。
メニューは次の通り。大まかに定食と丼もの。定食はみそかつ、海老・魚のフライ、ロース、ヘレ、ビーフ、コロッケに生姜焼きも食べられます。量・質ともに申し分はありません。
お客さんの中に学生の姿を見かけます、彼らの財布にも優しい証拠です。リーズナブルな値段のかつ丼は毎日の出費も、もちろん食いしん坊の舌とお腹も満たしてくれます。穴子丼もメニューにありました。数人で押しかけ、各種かつを頼みひとりをお口直しの味替えに、という手段もあり。一度、ご賞味あれ。
とんかつならロースで決まり
ロースかつ定食 880円
ジャンボロースかつ定食 1230円
お皿をはみだしそうにロースかつがドンと乗ってやってきます。ソースの甘い酸味がほどよく鼻をくすぐります。ごはんをどんぶり茶碗によそってくれますので、白米にバウンドさせ、息つく間もなく、自分のペースで食べられます。
付け合わせのキャベツも一緒の皿に。こちらはロースかつに場所を追われて奥に、手前に一口サイズに切ったロースかつと皿の淵までソースががかかります。一口ほおばると赤みの部分から油があふれて、噛みごたえを残しつつ、口の中は肉汁が広がり衣の硬さとソースが白米をすぐ運んでくれと要求してきます。最後まで休みなく食べ進められるソースの味なのでしょう、控え目に感じるのは完食までを考えた味付けかと思われます。
困ったときのかつ丼670円(並)がオススメ
ご飯の量・かつの大きさ、卵がふわりとかつを包んで甘い出汁がよくご飯と合うのです。ぱぱっとささっと済ませたい方や、財布の中身が寂しいけれど肉だけは絶対に食べたいという時に欲を満たしてくれるのが、このかつ丼。オススメです。
とんかつ処 おくだの詳細
【住所】 〒606-8227 京都府京都市左京区田中里ノ前町55 牧ビル1F
【アクセス】 京福電鉄 元田中駅 南口 徒歩5分
京都市バス 北白川別当町飛井町 徒歩3分
【営業時間】 月・水~日曜 ランチ 11:30~14:30(L.O.14:00)
ディナー 17:00~22:00(L.O.21:30)
【定休日】 火曜日 その他臨時休あり
【電話番号】 075-722-0965
とん正(大阪)
移転先でもお客が通う。愛されるとんかつ屋、とん正(まさ)。堺筋本町駅より5分のナシモトビルの1F。以前は地下でお店をやられていたとか、常連さんの会話が聞こえてくる。
ロースカツ定食 1200円
ロースカツ定食を注文。定食なのでわらわらとお新香にお茶、お味噌汁にご飯が揃う。小鉢が一品ついてました。この時は冷奴。
開店のすぐあとに入ったためか、私以外では常連さんが二組、カウンター私だけ。10分もかからずでした。
お皿の手前にすだちが置いてあり、柑橘の香りがすっと鼻をかすめる。カツの半分へ絞った汁を。まずはつけていない真ん中あたりを一口。衣は薄くて食べやすい。肉汁を求める人には少しばかり物足りないかもしれません。柔らかく引き締まったお肉が言い得て妙。すだちをかけた一切れをパクリ。脂身をそこまで感じさせない揚げ方がより一層引き立つ。ごはんがすすむ、すすむ。
カツのほか、マカロニサラダ・野菜と四角く切ったキャベツ。お味噌汁は赤だし。ソース皿の辛子だって、もちろん味を変えて楽しみました。脂身と辛みが相性が良いようですね。ソースは味噌とおろしも選べましたので、次はそっちを試してみようかと。
ロースカツ定食 1200円。満足、まんぞく。
ヘレカツ定食をオススメ。どんどん食べられる薄い衣。硬さも程よい。
お金に余裕がある方にはやわらかいヘレをご賞味あれ。お店の揚げ方で衣が薄く硬めである理由がわかります。おいしく食べるには衣の柔らかさや厚みはかえってお肉の良さを殺してしまう。外がカリッ、そして柔らかいヒレと出会うと考えたのでしょう。あくまで私見です。赤みが程よく残りこちらもやはり箸とごはんが進んでしまう。付け合わせを忘れるほどカツ、ごはん、カツ、ごはんとお茶がおいしい。上質な味を求めるなら、奮発してみてもよろしいかと。あとはお小遣いと昼食代と相談を。
とん正の詳細
【店名】 とん正(とんまさ)
【住所】 大阪市中央区備後町1-6-6 ナシモトビル 1F
【アクセス】 地下鉄 堺筋線堺筋本町駅より徒歩五分
【営業時間】 平日 11:00~22:00
土曜 11:00~15:00
【定休日】 日曜・祝日
【電話番号】 06-6232-1129
ニューとん助(大阪)
ニューとん助は閉店後に場所を替え新たに開いたお店。店の営業をランチにだけ行います。店主の体力を考えてのことでしょう。
濃厚デミグラスが食欲を駆り立てる とんかつ 800円
ハンバーグやビフテキ、海老フライなど目移りするおいしそうなメニューを跳ね除け、とんかつを頼む。
とんかつは自分で切り分けるらしい。ナイフとフォークは慣れないせいか、切り分けるのに手間がかかり、それでも自分好みの一口に分けられるのは効率がいい。洋食のお店ですからごはんはもちろんお皿にのる。デミグラスソースが並々かかるとんかつを口に、素早くごはんをすくって食べる。衣はさっくりとほどよい、むしゃむしゃ食べ進められる食感です。
ニンニクの効いた濃い目の味がまた食べたくなってしまうのでしょうね。間に辛子をつけて食べます。あとはもう甘くて濃いソースの思うがまま、ぺろりと付け合わせの野菜と絡めて、きれいに完食しました。ウスターソースも捨てがたいけれど、がつんと無性に食べたいならこの味です。一度ご賞味あれ。
ニンニクが前面に ポタージュスープ 300円
見た目の白に騙されては驚いてしまう。量はかなり多め。ニンニクを効かせ塩味が濃い。お店の名物と頼まれる方も多い。二人で分けると適量かと。デミグラスも濃厚ポタージュスープも濃い。けれどまた飲みたくなってしまう味は不思議です。
ニューとん助の詳細
【店名】 ニューとん助
【住所】 大阪府大阪市住之江区中加賀屋3-1-22
【アクセス】 大阪営地下鉄 四つ橋線北加賀屋駅から徒歩8分
【営業時間】 月・火・木~土曜 10:58~13:57 昼のみ
【定休日】 日曜・水曜日
【電話番号】 06-6685-4096
かつ廣(京都)
粗目のパン粉にかつの大きさも十分空腹を満たしてくれました、京都 伏見のかつ廣さん。
目当てに寄った特選かつ廣膳が一足遅く売り切れ(一日限定5食)、手ごろなランチメニューに手が伸びて、これが当たり。ロースかつ定食 120g 780円は至れり尽くせりなのです。
かつはもちろんのこと、付け合わせのキャベツにスパゲッティ、お味噌汁に漬物まで。参りました。大きさもさることながら揚げる油のためでしょうか、かつはとても軽い。サクサク、小気味よく大好きな白米が次から次に、しかもかつはカットされており、もう止まりませんでした。
肉質は柔らかく筋切りがなされているものと考えます。良質なものを丁寧にという配所が感じられました。忘れがちな味の変化にもお店ならでは工夫がありました。甘口・辛口のソースと辛子がドレッシングがテーブルに用意されています。そうそう、胡麻も擦りました。コクが出てソースや、私は辛子と合わせたときが美味しかったです。かつの油が辛みで中和、程よい胡麻の風味が辛子と重なり口の中が豊かに味が膨らみました。ここは何度も通えます。油が軽いのです。
食いしん坊なら押さえておいてください。胃もたれでもお肉がたべたいのなら、こちらへ。
オススメはかつカレー 大厚ロースかつカレー 1240円
食べやすくかつは切られて、カレーに最適。大辛でもなく中程度。生卵付き。はじめから崩すもよし、半分を迎えて混ぜるもよし。もりもり厚いかつが食べられます。かつとソースに飽きてもかつは食べたい方はカレーもオススメです。
かつ廣の詳細
【店名】 かつ廣 桃山店
【住所】 京都府京都市伏見区魚屋町574
【アクセス】 京阪電気鉄道京阪本線 伏見桃山駅から徒歩2分
近鉄京都線 桃山御陵前駅から徒歩4分
【営業時間】 11:30~20:30 LO:20:00
【定休日】 月曜日
【電話番号】075-622-9556
味の店 一番(大阪)
ボリュームは大満足。注文に迷ってしまう恐れあり。
種類が豊富です。何と言っても味の店 一番は洋食屋。トンカツ、ヒレカツ、ハンバーグやエビフライなど二種類を組み合わせて一つのプレートに盛られる。単品も一品だけの定食も選べます。
ハンバーグとヘレカツのセットを注文。1300円。キャベツがてんこ盛り、デミグラスソースがかかる、肉は柔らかく厚いので食べごたえは十分。トンカツと一緒に食べるハンバーグも美味。すっと箸が通る。ごはんは足りずにお代わりを頼み(小+50円)、おかずとのバランスが取れました。デミグラスソースをかけて味わうトンカツもまた絶品。洋食屋ならではの味でしょう。口の中が洋風でいっぱいのところにお味噌汁を飲むと、なんともこれがよく合うのです。
トンカツと言えるか? チーズカツ定食 980円
チーズ、大葉にトマトを挟んだ一品。チーズと豚に衣の三つの食感に紫蘇とトマトがさっぱりと味を引き締める、いくつも食べられそうでした。六切れをぺろりと平らげて、物足りなさは感じませんでした。二口で一切れを食べます、女性の口ですと三口で一切れでしょうか。最後にこんな変わり種ををご紹介してみました。
味の店 一番
【住所】 大阪府堺市北区中百舌鳥町6-882-3
【アクセス】 大阪市営地下鉄 なかもず駅から徒歩6分
南海電鉄 中百舌鳥駅(南海・泉北)から361m
【営業時間】 11:30~23:00(LO 22:20)
ランチ営業、夜10時以降入店可、日曜営業
【定休日】 第1水曜日のみ
【電話番号】 072-257-2500