シェラスコで食べる肉の部位と味

ブラジルの伝統料理として有名なシュラスコ。2016年にブラジルでオリンピックが開催されたことから、再びブラジル料理のシュラスコが注目が集まっています。

シュラスコは主に牛肉などの肉の塊を串に刺し、塩を振りかけてからじっくりと焼いていき、焼きあがった肉をお客様の目の前で切り分けるという、とてもエンターテイメント性のある楽しい料理です。

でも、シュラスコにはたくさんの部位があって、シュラスコ初心者は何を選んだらいいのか分かりにくいもの。ましてや肉の部位をポルトガル語で呼ぶので余計に日本人には馴染みが薄く入門し辛い側面があります。

そこで、シュラスコで食べられる肉の種類と味の特徴について徹底解説してみました!これを読んだらあなたも立派なシュラスコマスターになれる!?

日本で人気のPicanha(ピカーニャ)

シュラスコでよく使われる牛の肉に、Picanha(ピカーニャ)があります。ピカーニャは、部位でいうとイチボにあたり、牛のお尻の先についてるお肉です。適度に脂身があって、柔らかいのが特徴。

本場ブラジルのサンパウロや日本で特に人気の高い部位となっておりますが、牛1頭から取れる量がとても少ないので、希少なお肉となっています。脂が程よくのった柔らかい赤身がとてもジューシー!柔らかくジューシーな肉は、日本人の好みによく合いますよね。シュラスコ料理として非常に美味しく頂けるお肉です。シュラスコ初心者にはまずPicanha(ピカーニャ)をお勧めしたいです。

本場ブラジル南部で人気の牛のスペアリブ、Costela(コステーラ)

シュラスコの本場であるブラジル南部の人が最も好んで食べる肉に、Costela(コステーラ)があります。コステーラはスペアリブで、胸から腹にかけて続く肋骨(アバラ骨)についたお肉です。バラには、肋骨の外側の肩バラと腹の内側のともバラの2種類があります。コステーラをシュラスコで使う場合は、岩塩や黒胡椒を振りかけて表面を焼きあげて蒸し焼きにすることが多いです。

骨についたお肉をそのまま切って食べますが、骨の部分からも旨みが出ており大変美味しく頂けます。また、骨の周りについた赤身の肉と脂肪が薄い層を成しており、赤身と脂肪が交互に口の中に広がります

スペアリブというと、豚の骨付きバラ肉を思い浮かべるかもしれません。ですが、スペアリブは豚に限らず、牛や羊などの骨付きバラ肉のことも指します。バラ肉の中でも主に骨付きバラ肉がスペアリブと呼ばれるそうです。牛のスペアリブも豚のスペアリブも勿論、シュラスコで食べられます。

ちなみに牛のスペアリブをCostela de Boi(コステラ・デ・ボイ)、豚のスペアリブをCostela de Porco(コステラ・デ・ポルコ)とも言います。

セブ牛の背中のコブ肉、Cupin(クッピン)

コブのあるセブ牛は南米独特の牛で日本では珍しいのですが、そのセブ牛の背中のコブからとれる肉がCupin(クッピン)です。牛1頭から取れる量が少なく希少な肉であり、脂が多く、とろけるほど柔らかいのが特徴です。

キメが細かくほんのり脂が乗っており、普段食べ慣れていない日本人からすると変わった食感かもしれません。噛めば噛むほど味が染み出してきて、しっかり肉の旨みを味わえるセブ牛のコブ肉もシュラスコの定番中の定番なのです。

こちらもシュラスコの定番!Alcatra(アルカトラ)

Alcatra(アルカトラ)は日本ではランプ、又はトップサーロインと呼ばれる部位のことで、他の肉と比べると、脂身が少なくてヘルシーです。脂肪分が少ない赤身肉であることからも、非常にあっさりとしていますが、肉の旨みはぎっしり詰まっていて、コクと風味、深みのある味が特徴となっています。

部位は腰からお尻にかけて続いている、大きな赤身の部分で、モモ肉の特に柔らかい旨みのある肉がランプです。キメも細かく、貴重な部分です。鉄分も豊富に含まれているのでシュラスコの中でも特に健康的な部位と言えるでしょう。

高級部位のContra file(コントラ・フィレ)

Contra file(コントラ・フィレ)はサーロインのことで、主にステーキにして食べる事で知られている肉。シュラスコでも使われている部位です。サーロインは牛肉の中で最高の肉質を誇り、柔らかく甘みがあります。ジューシーな霜降りが多いのも特徴となっています。

ステーキでも美味しい!希少なFillet(フィレ)

Fillet(フィレ)は、牛1頭から3%しかとれないという希少な部位です。サーロインやロースと並んで、こちらも高級部位となります。日本ではヒレ肉、英語ではテンダーロインとも言われており、脂肪分の少ない上品なお味の柔らかい赤身肉です。

フランスでは、ヒレ肉の中で最も柔らかい部位をシャトーブリアン、ヒレを小さくカットしたものはミニヨンと呼ぶなど、さらに細かく分けた呼び方もあります。

Fraudinha(フラウジーニア)

Fraudinha(フラウジーニア)は牛のハラミ肉で、横隔膜にぶら下がっている肉です。1頭からも2〜3㎏しかとれず、貴重な部位となっています。赤身肉のように見えるのですが、こちらは内臓肉です。適度に脂肪がついており、肉も柔らかく、シュラスコでも人気の部位となっています。

その他にも、牛肉を使ったガーリックステーキのPicanha no Alho(ピッカーニャ・ノ・アーリョ)などもあります。

ブラジル版ソーセージ、Linguica(リングイッサ)

シュラスコは、牛からとれる肉ばかりではありません。

Linguica(リングイッサ)は少々味付けが濃いめの豚肉の腸詰め。つまりソーセージ。スパイスとハーブがよく効いていて肉の深いお味をしっかり楽しめます。お酒とも相性がよく、シュラスコの定番です。長時間焼かれたものは、脂がとれてカリカリになるので、さらに美味しくなります。

豚のLombo(ロンボ)とPernil(ペルニウ)

Lombo(ロンボ)は豚のロースで、背の部分の肉です。柔らかく、脂がほとんど無いのが特徴です。

Pernil(ペルニウ)は豚のもも肉。脂がほんのりのっていて柔らかい食感です。

シュラスコで使われる鶏肉

シュラスコではもちろん鶏肉も使われます。

Coracoes(コラソン)は鶏のハツ(心臓)で、モチモチとした弾力のある歯ごたえと、プリプリした食感に加え、旨味がしっかりつまっています。

Frango(フランゴ)は手羽元で、皮はパリパリ、中は柔らかくジューシーな味わいが楽しめます。

他にも、鶏⾁のベーコン巻きのFrango com bacon(フランゴ・コン・バコン)もシュラスコで多く見られるメニューです。

鶏の部位としては、羽のAsa、手羽先のDrummet、もものSobrecoxa、足のCoxaなどもあります。

羊肉のCordeiro (大人の羊) とCarneiro (子羊)

Carneiro(カルネイロ)は仔羊の肉であり、いわゆるラム肉と呼ばれている肉です。ラム肉は生後1年未満の永久歯が生えていない仔羊の肉です。臭みが少なく、味にも癖がありません。とても柔らかくジューシーで、あっさりとしていて食べやすいのが特徴です。

シュラスコ全種類制覇を目指そう!

肉以外にもエビやホタテといった海鮮、焼きチーズやパイナップルもシュラスコ料理として頂けます。パイナップルは消化を助けてくれる作用もあります。もしも肉を食べ続けていて、途中でお腹いっぱいになってしまったら、パイナップルで休憩を挟みつつ、シュラスコを最後まで楽しんで下さいね。

シュラスコは数種類のお肉を取り分けてもらえるので、量を加減しながら食べれば、全種類制覇も可能です。少しでも多くの種類に挑戦したいのであれば、お腹と相談しながら、肉を切り分けてもらいましょう。きっとお気に入りのお肉が見つかるはずです!目指せ全種類制覇!

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