あなたは肉料理と聞けば何を真っ先に思い浮かべますか?
焼肉?ステーキ?牛タン?馬刺し?
私は何と言ってもとんかつ!
分厚い豚肉にサックサクの衣。
まさに肉料理の王様でしょう。
ダイエット中だろうが糖質制限中だろうが、やっぱりとんかつは旨いのです。
こんな美味しい食べ物を生み出したご祖先様に感謝しつつ、ここでは東京が誇るとんかつの超名店を5つ厳選してご紹介しましょう。
とん太(高田馬場駅)
駅前の喧騒から若干離れた、新目白通り沿いの名店
学生さんであふれかえる高田馬場駅から5分ほど目白方面に歩くと、日本的な情緒を持つ店構えの名店とん太が姿を現します。のれんをくぐった先にあるのはL字型のカウンター席と、お座敷タイプのテーブル席。高田馬場は多くの大学や専門学校が存在する東京を代表する学生街ということもありお客さんには若い方も多いのですが、酸いも甘いも知り尽くしたような熟年の常連さんと思わしき方の姿もちらほらと目に入ります。
全体的な雰囲気は落ち着いており、ちょうどいい感じの活気で居心地も最高に良いお店です。テーブルにはソースの他に塩やコショウが並べられており、とんかつそのものに対するお店の自信を垣間見ることができます。とんかつの通はソースをかけずに塩だけで食べたりしますからね。
味わえるのは王道のとんかつ
とん太のおすすめメニューは「特ロースかつ定食」です。注文してから約10分後、並々と添えられたキャベツと共にロースかつが登場します。
とん太のとんかつはサクサク感を重視した揚げ具合に作られており、衣は他のお店で見る一般的なそれと比較してやや白め。お肉もほんのりとしたピンク色が残っており、断面を見ただけでも食欲をそそります。ジワっと溶け出すお肉の脂が口の中で衣のサクサクとした触感と合わさり、その美味しさには思わず目を閉じて噛むことを中断してしまうほどです。ソースを絡めてご飯と一緒に食べても勿論美味しいのですが、ロースかつの脂から甘みが溶け出してくるので、軽く塩をかけてあっさりと食べるのもおすすめです。
ちなみに食べログが美味しいお店を表彰する「The Tabelog Award 2017」で堂々のBlozneメダルを獲得した凄いとんかつ屋でもあります。そりゃ美味しいわけだ!
のもと家(大門駅)
オープン直後にすぐとんかつ名店の仲間入り
のもと家は大門駅近くに2014年に創業した比較的新しいお店ですが、オープン直後からとんかつファンの間で話題になりすぐにとんかつ名店の座を獲得しました。東京タワーのすぐ近くという抜群のロケーションも魅力の一つですね。小さなビルの2階部分に入店しているお店ですが、実際に足を運んでみるとお店の中は非常に綺麗で、ゆったりとしたカウンター席とテーブル席が設けられています。木目調であたたかみのある店内であることからホッとできる空間でもあり、お昼時はサラリーマンだけではなくカップルの姿も目にすることがあります。
普通のとんかつも絶品ながら、出汁の利いた「かつ丼」に大ハマり
オープン後すぐに人気となるほどの名店ですから、とんかつが美味しいことは言うまでもありません。しかし私がのもと家であえておすすめしたいメニューは「かつ丼」。「とんかつ屋でかつ丼を頼むなんて邪道!」と憤っていたとんかつマニアさんも一口食べて黙りこんでしまったとか。
このお店のかつ丼は上品でありながら、こってりとしたあの伝統的な味を期待する客をがっかりさせることもない絶妙な味わい。出汁の効いた汁で軽く煮立てられたかつはジューシーで、思わずご飯をかき込む手の動きも早まってしまいます。白身を程よく残して半熟に仕上げられた卵も、主役のかつと同じくらいの存在感を放ちます。のもと家のかつ丼は、一度でも食べればその味の虜になること間違いありません。
平日の夜3食限定です!
丸山吉平(浅草橋駅)
一見してとんかつ屋とは思えないほどのスタイリッシュな空間
浅草橋という土地、そして人名とおぼしき名が付いた店名の丸山吉平。いかにも頑固で古風な店主のお店なのだろうというイメージを持っていましたが、お店に足を運んでみるとその印象とは180度異なる世界が待っています。白を基調とした清潔感のある店内では、スラっとした若い店主が手際よくとんかつを揚げ続けているのです。
席の大半はカウンターであり、お世辞にも広いとは言えないお店ですが、まとまりのあるオシャレな空間に仕上げられていることから、若い女性のお客さんも数多く訪れていたことが印象に残っています。
https://www.instagram.com/p/BRNAzYlBSEU/?taken-at=59059911&hl=ja
中心部がレアの状態で登場する「ひれかつ定食」が一番のおすすめ
丸山吉平で注文すべきおすすめのメニューは「ひれかつ定食」。このお店のかつの特徴は、他のお店ではまず見る機会が無いというほどレアの状態で出てくるという点にあります。ほんのりとしたピンク色のとんかつは一般的なお店でもよく見かけますが、ここのとんかつはピンク色を超えて中心部はほぼ赤のままの状態なのです。
「豚なのにしっかり焼かれてないなんて大丈夫なのか?」と思う方もいらっしゃるでしょう。しかし心配はご無用。こちらで使用されている豚肉は、雑菌が無く生のままの状態でも食べられる貴重な林SPF豚なのです。まるで牛肉のような扱い方ができる豚肉であることから、真っ赤なままのひれかつを食べてもお腹を壊すことが無いんですね。あえてレアで提供することで豚肉が持つ本来のジューシーさと深い味わいを楽しめるお店は、いくら日本中の美味があつまる都内と言えども非常に貴重です。
とんかつ割烹 かつぜん(銀座駅)
ミシュラン一つ星を獲得した高級店
とんかつ割烹 かつぜんは、銀座駅から徒歩3分という最高の立地を持つお店です。銀座らしく落ち着いた佇まいを持ち、気軽にのれんをくぐることを許さない気高さを感じますが、それもそのはず。このお店はミシュランで一つ星を獲得するほどの世界的な評価を受けたお店であり、ランチタイムにも関わらず定食は驚きの4,500円近辺の設定という高級店。た、高い…。
店内も一つ一つの調度品に重厚感があり、記念日のデートの場として利用するにも相応しい、一般的なとんかつ屋さんとは一線を画した独特の雰囲気を持つお店となっています。
超高級素材をそのまんま揚げましたって趣のとんかつに舌鼓
ディナータイムはコースメニューでの提供となり予算は軽く1万円を超えてしまうため、私のおすすめはランチタイムの「ロースかつ定食」です。
とんかつは極めてシンプルな見た目であり、衣の状態からも異質さを感じることはありません。しかし、九州産の超高級黒豚肉という素材を生かし切ることに全神経を集中させていることがこちらにも伝わってくるとんかつですね。素材の肉が凄いから余計な小細工せずにそのまんま揚げました、みたいなお店側の意思が伝わってきます。
食べやすいようにとんかつとしては小さめの一口大にカットされている点からも店主の優しさを感じることができます。お箸の扱いに慣れていない外国人を連れてきても喜んでもらえるのではないでしょうか。とんかつの他に漬物と煮物、そしてお味噌汁がセットされ、お米はミネラル栽培のコシヒカリと、お肉以外の素材へのこだわりも強く感じました。
銀座のど真ん中に鎮座していて、行っただけで友人に自慢できるレベルの超高級とんかつ店。ぜひいつかディナーも味わってみたいものです。
檍(蒲田駅)
ランチ時には長蛇の行列が当たり前の超人気店
下町情緒がいまだに残る蒲田駅近くという土地柄もあって気楽に入店できるお店が檍(あおき)です。銀座のミシュラン「かつぜん」とはまさに真逆の店構えとなっています。ふらっとサンダルでも入れますね。
カウンター席のみの賑やかな空間であり、いたって普通のとんかつ屋さんという雰囲気ですが、テーブルの奥に目をやるとモンゴル産、ボリビア産、ペルー産とこだわりの三種類の塩が用意されており、通好みのお店であることを瞬時に理解することができます。無数のとんかつ屋に通ってきましたが塩のバリエーションがここまで多いお店はあまり無いですね。しかもモンゴル、ボリビア、ペルー産と来ましたか。よくわからないけどなんだか凄そうです。
事実、とんかつファンの方もそうでない方もファンが多いお店であり、行列がズラッとできていることが当たり前。特にランチタイムには並ぶ覚悟を決めなければなりませんが、そうしてまでも食べたいと思わせてくれる稀有なお店です。
「リブロースかつ定食」で最高の贅沢ができる
檍でおすすめのメニューは「リブロースかつ定食」です。ロースかつ定食などと比べて確かに値は張りますが、お肉を愛するすべての方にぜひ一度召し上がっていただきたい逸品です。
檍では牛肉基準の衛生さで管理された林SPF豚を使用しているため、カツの断面は赤いままで提供されます。最大級の分厚さを持ちながらも箸で持ち上げた瞬間からしなるほどの柔らかさを持っていて、口の中では脂が溶け出してあっという間にほぐれていきます。分厚さだけではなく、幅も広いお肉であることからボリュームも満点。それでいてさっぱりとした味わいであり、途中で嫌になることもありません。衣の色は強めですが、胸やけすることもなく、上質な油で揚げられていることもポイントです。
もし近くを通りがかって行列ができていなければすぐにでも飛び込まないと損。これが東京下町のとんかつだ!と言わんばかりの美味をぜひ一度味わってみてください。
東京のとんかつ超人気店まとめ
本当はこの5店を順位付けする予定だったのですが、実際に食べ比べてみるとこの5店を並べ替えるのは至難の業でした。下町、学生街、オフィス街、そして銀座。多種多様な人が集う東京だからこそ、街によってとんかつ屋も個性豊かな店構えと味を誇っています。学生さんとサラリーマンが膝を突き合わせてとんかつを箸でつついているお店もあれば、ランチだというのに4500円という超高級とんかつを出すお店もあります。これをおすすめ順に並び替えるなど無粋ですよね。
以上、東京近辺に住んでいたら絶対に人生で一度は行ってみたい、とんかつの超名店を5店選んでみました。ステーキや焼肉もいいですが、やっぱり日本人が分厚い肉を食べたくなったらとんかつでしょう!ぜひ5店を全制覇してみてはいかがでしょうか?
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