【検証】「デブはおおらか・瘦せ型は神経質」説は本当か?

太っている人と痩せている人で性格は二分化される?

太っている人と痩せている人で性格は二分化される

太っている人は大らかって本当?

一般論として頻繁に語られるのが「太っている人は優しい」「デブは大らか」といった、太っている人に対するポジティブな話です。だからといって恋愛に発展しやすいとは限らないのがデブにとってつらい問題ですが、同性・異性を問わず好印象を持ってもらいやすいことは太っている人にとっての特権と言えるでしょう。それに対して痩せている人は「神経質で気難しい」と、太っている人に対するものとは真逆の評価が下されることが多いですよね。一体どうして外見の印象だけで人間のイメージは決まってしまうのでしょうか。様々な視点からその謎に深く迫ってみましょう。

それぞれの理由を考察してみよう

満腹時にはイライラを感じにくい

一度でも食事制限を加えたダイエットを経験している人であれば分かりますが、人間はお腹が空くとイライラしやすくなります。人間は食事を通して空腹を満たし、エネルギーを摂取しなければ生命の維持ができなくなりますから、本能的に危険を察知して感情に変化が起こり、苛立ちを抑えられなくなってしまいます。したがって、常に満腹状態で過ごしている太った人に大らかな人物が多く、反対に食事の機会が少なく、空腹で過ごしている男性が神経質になりやすいことは必然と言えるでしょう。

太っている人は細かいことを気にしない

そもそも人間が太ってしまう原因を考えていくと、簡単に言えば「細かいことをあまり気にしない性格だから」という結論に行き着きます。「食べたいから食べちゃえ」「運動しなきゃいけないけど、別にいいや」といったことの繰り返しによってカロリーを消費しきれず、脂肪を燃焼させきれずに太っていってしまうわけです。一方で痩せている人物はどうでしょうか?ストイックなまでに自らを追い込み、日常の中から体型維持について意識した生活を送っていると考えることが自然なのではないでしょうか。欲望をコントロールした状態では、必ずしも大らかに過ごせるとは限りません。本来持って生まれた性格が優しい人であったとしても、人からどう見られているのかといった世間体を意識して生活をしているうちに、神経質なタイプになってしまっても不思議ではありません。

イメージとして定着している

デブキャラを売りにしている芸能人の多くがお笑いタレントであることは周知の事実です。石塚英彦さんを筆頭に伊集院光さん、松村邦弘さん、内山信二さん、ハリセンボンの近藤春菜さん、渡辺直美さんなど枚挙に暇がありません。戦隊モノの番組を見ていても、太っているキャラクターは「運動が苦手で優しいおっちょこちょい」を務めることが多いですよね。

反対に神経質な芸能人は痩せていることが多いです。例えば、「踊る!さんま御殿」で「ガサツvs神経質」という企画が組まれた際には、神経質グループにモデルの鈴木奈々さんや俳優の石黒英雄さんら痩せている芸能人が起用されており、それぞれが潔癖症に関するエピソードを話しています。

テレビドラマの配役を見ても、神経質な研究者など理科系の職に従事する人物は極端に痩せ、メガネをかけているような芸能人が起用されています。そういったイメージによる刷り込みを受け、「太っている人は大らか」「痩せている人は神経質」といった印象が徐々に定着していったとも考えられます。

科学的な根拠はあるのか?

医学博士クレッチマーによる気質の分類

エルンスト・クレッチマーというドイツの医学博士は、人間の気質を研究した「クレッチマーの3気質」で科学史にその名を刻んでいます。数々の著名な学者を輩出したことで有名なドイツのテュービンゲン大学で精神科の診療部長を歴任したこともあるクレッチマー博士は、人間を細長型・肥満型・筋肉型という3つの気質に分け、それぞれがどういった性格的な特徴を持っているのかを解明しようとしました。

この研究によって、クレッチマー博士は細長型を「分裂気質であり、静かで控えめ、そして真面目」、肥満型を「躁鬱気質であり、社交的で親切、そして温厚」、筋肉型を「粘着気質であり、几帳面で熱中しやすく、頑固で、興奮しやすい」と結論付けています。つまり、科学的な研究結果からも「デブが大らか」であることが証明されているのです。

クレッチマー博士の研究を芸能人で検証してみよう

クレッチマー博士による研究結果は、現代で活躍する芸能人の姿と当てはまるのでしょうか。デブ代表としてマツコ・デラックスさんと伊集院光さんを取り上げてみましょう。マツコさんは抜群の社交性を武器に幅広い年齢層の男女をファンとして取り込み、歯に衣着せぬ発言を繰り返すことで現在の地位を確固たるものにしました。マツコさんは人を包み込むような優しさを持つ反面、「うるせーコノヤロー!」と突然声を荒げる「キレ芸」も得意としており、他人に対してだけではなく自分自身にも厳しく、必要以上に見えるほど落ち込む様子を見せることもあり、躁鬱気質であることも分かります。クレッチマー博士による分類は当たっていますね。

伊集院光さんは、クイズ番組でも大活躍するほどの博識なタレントとしても知られ、温厚で常識的なキャラクターを武器にテレビ番組で活躍する一方、長年パーソナリティを務めているラジオの深夜番組では一転して毒舌を振りかざすキャラとしての一面も見せるなど、やはり躁鬱としての気質も示しています。マツコさんと同じく、伊集院光さんにもクレッチマー博士による研究結果の結論は当てはまっていると見ることができます。

シェルドン博士による研究

人間を3種類に分類する

アメリカの心理学者であり医学者のウィリアム・シェルドン博士は、1940年に体質心理学という学説を発表しています。4,000人ものサンプルから研究を重ねた結果、シェルドン博士はクレッチマー博士と同様に人間を3種類のパターンに分類し、それぞれの性格の傾向を導き出しています。気になるその研究結果は、痩せ形の人が「神経質で心配性、引っ込み思案」、太っている人が「大らかであり社交的、リラックスしやすく自己満足が強い」、筋肉質な人が「精力的であり積極的、競争心が強く冒険心に溢れる」タイプだというものであり、大筋でクレッチマー博士による研究結果と一致しています。この興味深い研究結果は、太っている人が大らかであるという説を裏付けるに十分なものと見て取ることができます。

太っている人にはアドバンテージがある!

第一印象は良好なものになりやすい

こういった様々な要因により、太っている人は痩せている人よりも外見でアドバンテージを得ることができそうです。「大らかで優しそう」という印象からは、マイナス要素を見つけることはできません。第一印象が良好なものになりやすいことは言うまでもなく、生かし方ひとつで良好な人間関係を描くことができるでしょう。

大切なのはイメージを裏切らないこと

人間は、第一印象と乖離した言動を見る度にギャップを感じる生き物です。一般の人が当たり前のようにこなしている仕事を、元ヤンキーが数日間行っただけで「立派になった」と称されるのが代表的な例ですね。太っている人の場合にはせっかく「大らか」という印象を持ってもらいやすいのですから、そのイメージを覆さないような言動を取ることを心がけてみましょう。その積み重ねによってやがて信頼が生まれ、より豊かで輝かしい人生を歩むことができるはずです。

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内閣総理大臣賞受賞の宮崎牛