痩せすぎ・肥満どちらも危険!肥満度を測るBMIとは?

健康診断を受けたり、スポーツクラブに行くと、「BMI」という指数を目にする機会がありますよね。最近の高性能体重計では手軽にBMIが測れるのでご自分の数値を知っている人も多いでしょう。

でも、体脂肪率などわかりやすい指数に比べBMIってあんまり知名度が無く、そもそもBMIの数値の意味するところをきちんと知っている人は案外少ないもの。

そこで、この記事ではダイエットや生活習慣病にも大きく関わるBMIについて解説!
自分が肥満かどうかを知るにはBMIを活用するのが一番正確で手っ取り早いのです。

BMIとは?

肥満かどうかを知るにはBMIを算出する

BMIはBody Mass Indexの略称で、日本語ではボディマス指数とも呼ばれています。

1994年にWHOが定めた肥満度がわかる国際基準で、体重と身長からBMIを算出し、その人が太っているのか痩せているのかを簡単に把握することのできる数値です。

太っているからといって、他人に迷惑をかけるわけではありませんが、あまりにも太ってしまうと、高血圧や肝障害などのリスクが高まるなど身体に悪い影響を及ぼすこともあります。自分の身体は自分で守らなくてはなりません。まずは、BMIから今の自分の体重の状態を知り、健康との関係を知っておきましょう。

BMIの算出方法とは

BMIによって、標準的な体重なのか、痩せ過ぎていないか、太っているのかを簡単に知る事ができます。BMIは自分でも簡単に計算出来ますので、まずは自分のBMIを把握することから始めてみましょう!

BMIの計算式は以下のようになります。

BMI指数 = 体重 ÷  ( 身長 × 身長 )

注意点として、身長はメートル(m)に直してから計算します。
つまり身長が160センチの人の場合は1.6メートルになるので、1.6という数値を使うわけです。

例えば、体重が50kg、身長が160cmだとすると、身長をまず1.6mに直します。それから上の式に数値を当てはめましょう。

50÷(1.6×1.6)=50÷2.56=19.53

小数点第2位を四捨五入して、小数点第1位まで出すのが一般的とされていますので、上の場合だと19.5になります。

もし身長165センチ体重65キロの人であれば、

BMI = 65 ÷ (1.65 ×1.65) = 65 ÷ 2.7225 = 23.8

となりますね。

あなたのBMIはいくつですか?早速計算してみましょう!

適正体重

また、適正体重の算出方法もあります。適正体重とはBMIが22(女性は21)のことを指します。一般的に用いられている公式は以下になります。

適正体重=(身長(m)×身長(m)) × 22

身長が160cmならば、適正体重は56.32kgとなります。

この計算式では大人の適正体重が出せますが、子供は以下の計算式となります。

適正体重= (身長(m)×身長(m)) × 13

適正体重を計算する事でも、自分が痩せているのか、太っているのかを簡単に知ることが出来ます。

BMIの数値から肥満度を知る。

さて、BMI数値が出たところで、肥満度を見ていきましょう。ただし、この基準は国によって変わってくるので、この記事では日本肥満学会が定めている基準を参考にします

BMIが18.5未満の方は低体重、痩せと判断されます。BMIが18.5~25未満の方は、普通体重となります。BMIが25以上になると肥満になり、BMIが25~30未満だと肥満(1度)、BMIが30~35未満だと肥満(2度)、BMIが35~40未満で肥満(3度)、BMIが40以上で肥満(4度)となります。

24以下であれば、肥満判定されませんが、25以上になると、肥満と判定されてしまい、BMIの値によって、肥満度が段階に分けられるというわけです。

25未満 痩せ、普通

25以上30未満 肥満(1度)

30以上35未満 肥満(2度)

35~40未満 肥満(3度)

40以上 肥満(4度)

なお、BMIは低ければ低いほどいいわけではありません。あまりにも痩せ過ぎている状態も身体にとって良くありませんので、仮にBMIで痩せに判定された場合、食事や運動などを見直す必要があります。特に若い女性はBMIが極端に低い場合が多いので注意してください。

普通体重の範囲内の場合は、今の状態をキープするといいでしょう。ただし、BMIが普通の範囲内にあっても、体脂肪率が高い場合、隠れ肥満になっている場合もあります。

BMI値が高く、25以上となる場合、生活習慣病などを引き起こす恐れが出てきます。食生活を改善したり、適度に運動をするなど、生活を少し見直する必要があります。

BMIが22だと、適正体重とされており、健康で病気にもかかりにくいと言われています。日本人男性の基準値で22、女性は21と定められています。

ちなみに、WHO(世界保健機構)の肥満度判定基準では、BMIが30以上を肥満と定めています。25以上は過体重とされています。日本はわりと痩せ型の人が多いのでBMIでの肥満判断基準が厳しいと言えるでしょう。

肥満は危険?肥満による健康への影響とは?

日本の基準で肥満とされているBMIが25以上になっていたとしても、もし健康診断で何か異常が無ければさほど危機感を覚える事はないかもしれません。しかし肥満は長い年月をかけて徐々に悪い影響を及ぼします。BMIが25を超えている人は遅かれ早かれ何かしらの問題が起きるのは間違いありません

何と言っても肥満が引き起こす疾患の代表例は「生活習慣病」でしょう。
生活習慣病と肥満には、密接な関係があると考えられています。

生活習慣病は以前は成人病と呼ばれていた、高血圧糖尿病、脂質異常症などの中年期以降に発症しやすい疾患の事です。

生活習慣が原因となり引き起こされる疾患で、自覚症状があまりない為、放置していると動脈硬化が進みます。自覚症状がないままに静かに進行していくと、命に関わるような疾患が突然襲ってきます。例えば、狭心症や心筋梗塞、脳梗塞といった重大な疾患に繋がったりもします。女性であれば乳癌や子宮内膜癌に罹患するリスクも上がると言われています

肥満はこのような生活習慣病にかかるリスクが、通常の体重の人に比べると2倍以上に上がります。また、BMIが30を超えてくると、生活習慣病の発症リスクは飛躍的に高くなります。偏った食事を続けていたり、運動不足、過度な飲酒をしていて肥満になってしまっている人は、このようなリスクが伴っている事を知っておくべきです。

痩せすぎに起こる病気リスクとは?

最近の若い女性は、スタイルの良い女性が増えています。痩せている人が増えているのも事実です。中には無理なダイエットをして、痩せようとする人もいるでしょう。しかし、痩せ過ぎもあまり体に良くありません。痩せ過ぎは体にどのような影響をもたらすのでしょうか?

痩せ過ぎも太り過ぎ同様に死亡率が高くなります。痩せ過ぎると、免疫力や体力が無くなります。免疫力や体力が低下すると、様々な病気にかかりやすくなります。例えば、癌などにもかかりやすくなります。痩せ過ぎると、病気に抵抗出来る体力がなくなってしまうのです。

痩せ過ぎている人は、必要な栄養があまり摂れていない傾向にあります。鉄分が不足すれば、貧血にもなります。

肥満の人がかかりやすい糖尿病ですが、なんと痩せ過ぎが原因で発症する場合もあるのです。また、若い女性においては、脂肪が少ないと女性ホルモンが低下し、生理が止まってしまうなんて事もあるのです。カルシウムが不足すれば、骨粗鬆症になるリスクが上がります。

BMIが低すぎる人は高すぎる人と同様に様々な疾患発症リスクを抱えているのです。

BMIとメタボの関係について

メタボリックシンドローム、通称メタボとは、内臓脂肪症候群などとも呼ばれ、内臓の周囲に脂肪が溜まった状態です。それに加えて、複数の病気などが重なった状態を表します。内臓脂肪の蓄積とともに、高血圧や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病も起こっている状態です。

メタボになっているかどうかを知るには、BMIの数値だけでは知る事は出来ません。内臓脂肪の蓄積とBMIが相関関係にあるとは限らないからです。BMIでわかるのは太っているか、痩せているかの判断だけです。

メタボは内臓脂肪の蓄積の他に、血圧や脂質、血糖の値から診断されます。BMIの数値の変動とともに、内臓脂肪が増えたり、減ったりするわけではありません。ですから、メタボ予備軍がどこに潜んでいるかはわかりません。肥満を解消すればメタボの予防にはなりますので、BMIの数値を見て、生活を改善するのには良い指標となります。

出来る事なら欲望のままに、好きな物を食べてゴロゴロしていられたら、それだけで幸せですよね。ですが、肥満は様々な病気にかかるリスクが高まります。だからといって、無理なダイエットで痩せようとすれば、今度は痩せ過ぎによる影響が体に出てきますので、健康の事を考えるならば、たまにはBMIや適正体重を意識する事も大切です。

BMIは高すぎても低すぎてもダメ!適正体重を維持しよう

BMIは身長と体重から簡単に肥満度を測ることのできる手軽な指数です。自分の肥満度を見た目で判断するのではなくBMIや体脂肪率などの数値を使って複合的に判断するようにしてください。

特に中年男性の場合はBMIが高くなり過ぎないように、また若い女性の場合は極端なダイエットでBMIが低くなり過ぎないように気をつけるようにしてください。

人間の身体は極端に太っていても痩せていても、必ず長期的に見て不具合が起きるようにできています。男性であればBMI22、女性ならばBMI21という適正体重を目指してダイエットを心がけるようにしましょう!

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